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「クラフトビールフェスティバルin松本」チャリティ - 「ビールの魅力を知る」+アルファのイベントに

2014.08.25
「ビールの魅力を知る」+アルファのイベントに -「クラフトビールフェスティバルin松本」

9月19日~23日の5日間、「クラフトビールフェスティバルin松本」が松本城公園で開催されます。
おいしいビールが飲めるイベント、というだけではなく、ビールチケット1枚につき50円、当日会場でプラカップ一杯につき10円が、長野県みらいベースを通じて主に東日本大震災被災地支援を行っている松本市内の団体に寄付されます。チャリティの詳細や寄付される団体一覧はこちらをご覧ください。
長野県内では初めてとなる「ビアフェス」。イベントの内容をはじめ、寄付について、今後の展開について、企画運営を担当する林幸一さんにお話を伺いました。

クラフトビール≠地ビール、ビールの多様性に気付くきっかけにしたいと思っています。

写真:林さん

-まずはクラフトビールについて教えてください。よく言う「地ビール」とは違うのでしょうか?

地ビールは1994年に酒税法が改定になり、小規模なビール醸造所が許可されてから、瞬く間に全国に広がりました。地ビールと聞くと、「観光地のちょっと高いビール」という印象を持っている方も多いかもしれません。実際に品質があまり良くないものもあったようで、一気に衰退してしまいました。
ところが2004年ごろから、高品質なビールを作るメーカーが増えてきました。ちょうどそのころ、ベルギービールが市場で流行したこともあって、ビールの多様性に興味を持つ消費者も多くなってきました。

写真:林さん

-「とりあえずビール!」と言いますからね。ビールの種類を気にすることは、あまりないのかもしれません。

クラフトビールというのは、外国では当たり前という感覚です。例えばアメリカは両極端で、バドワイザーのような大量消費のビールもあれば、日曜日になるとお父さんがガレージで作る、クラフトビールもあります。酒税法が日本とは違うので、気軽にビールの製造ができるんですね。そうなると、己のビールを極めた「クラフトビールの達人」のような人も出てきます。
ビールの作り方を勉強するために外国へ行ったという日本の技術者もいるそうです。高品質なビールが作れるようになったのは、そのような影響もあってのことだと思います。

-県内でもクラフトビールは製造されているのですか?

現在、9カ所で作っています。長野県は広いということもありますが、こんなにメーカーが多いところは他にはありません。水がきれいでおいしいですし、ビール作りに適した環境なのでしょう。当日は県内のクラフトビールはもちろん、全部で40~50種類のビールが並ぶ予定で、中にはイベント限定のものもあります。数ある種類の中から、自分好みのビールを探して見つけ出すことがこのイベントの醍醐味ですね。

-松本でビールのイベントといえば「サマーフェスト」(8月に花時計公園で行われるドイツビールをメインにしたイベント)を思い浮かべる方もいると思いますが、「ビアフェス」はまた違う感じなのでしょうか?

かなり違います。まず、開催時間が昼間(終了が17時~18時)ということ。仕事終わりに一杯ひっかけて帰る…というのではなく、クラフトビールを味わうイベントです。
「ビアフェス」は全国各地でも開催されていて、どこも賑わっています。私も先日、「新潟クラフトビールの陣」に行ってきました。ビールはキンキンに冷やすイメージがあるかもしれませんが、クラフトビールは冷たければいいというものではなく、飲んでいるうちにぴったりはまる温度があります。味だけではなく、香りも楽しめる。それぞれのビールは個性があるので、飲んでいて飽きることはありません。ビールが苦手という方にも、「これならおいしく飲める」という一杯が見つかると思います。

「イベントを価値あるものにしたい」その思いを実現する方法のひとつが、寄付というかたちになりました。

写真:林さん

-当サイトの「冠基金」となったのは、どういうきっかけだったのでしょう?

ご担当の方から連絡をいただきました。おそらく新聞などでイベントのことを目にしていただいたのでしょう。実行委員の中にも、「価値のあるイベントにしたい」という思いが強くあり、単なる楽しいイベントで終わらない、何か良い方法はないかと模索していたときでした。

-集まったお金は、主に東日本大震災被災地支援を行っている松本市内の団体に寄付されます。林さんご自身も、被災地支援を行っていると聞いていますが、これまでにどのような活動をしていらっしゃったのでしょうか?

私自身も現地に炊き出しに行ってきましたが、私よりも本当に熱心に足を運んでいらっしゃる方も多いので…。私が所属する日本バーテンダー協会長野支部としても、各店に義援金の募金箱を設置したり、松本のバーを舞台にした冊子を発行して売り上げの一部を義援金にしたり、さまざまな活動を行っています。3年が過ぎて、現地から遠くで暮らしていると少しずつ震災のことが薄れてきている感じがあります。でも、東北のバーテンダーの方と会って話すと、まだまだ大変な思いをされている方が大勢いらっしゃる。現地の方へ思いを馳せることが大切で、でもそれだけではなく、何かのかたちで表現できればという思いも常にあります。

写真:林さん

-ちょうどいいタイミングでお話をいただいたということですね。

そうですね。一人ではできないけれど、皆で力を合わせると少しでもできることがあるのではないかと思います。お酒だけではなくて何か意義があるものをということで実行委員のメンバーの意見も一致しました。

-林さんは、松本市内の飲食店の経営や、先ほどの日本バーテンダー協会長野支部の活動など、お忙しいと思うのですが、こういったイベントに携わるのはなぜですか?

イベントというのは、店の営業の延長線ではなく、もっと大きな視野で考えて企画するものだと思います。松本では、春にお花見が終わったら、5月に工芸の五月やクラフトフェアがあって、夏には大歌舞伎、サイトウ・キネン・フェスティバルがあります。しかし、それが終わるとパタッと静かになってしまう。何だかもったいない気がするんですよね。店のお客様にも、松本が好きで、ファンだと言ってくださる方もいます。イベントがあることで、「また来ます」「秋の松本も楽しみ」と足を運んでくれる方が増えてくれれば。季節の折に松本を訪れるきっかけになれば嬉しいですね。

-松本城公園という素晴らしいロケーションも楽しみです。

場所も複数の候補が上がったのですが、松本で開催するならやはり松本城だろうと。観光客の方にアピールしたいという思いはもちろんありますが、もう一つ、地元の方にこそお城を見てほしい。普段、なかなか行かないという人も多いかもしれませんが、改めてお城の素晴らしさ、松本の良さに気付いてもらう機会になればと思います。食べ物も、地元のものを用意します。9月の爽やかな気候の中で、地元のおいしいものを堪能できます。

-外で過ごすにも、気持ちのいい季節ですね。

ちょうど1年前、小澤征爾さんが指揮するサイトウ・キネン・オーケストラとジャズピアニストの大西順子さんが共演した「松本Gig」で会場エントランスに設営したバーが、このイベントを立ち上げるきっかけになりました。そのときはボランティアだったのですが、とても良い雰囲気で、「こういうことをどこかでできたら楽しいんじゃないか」と、皆で話していました。
実際に準備を始めたのは半年前でしたから、もう一年先でも…という気持ちもあったのですが、まずは小さくても挑戦してみましょうということで、頑張りました。実行委員の中では「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ホップ」をまずやろうと。ビールだけに(笑)。まずは3年続けることが目標です。

ビールと言えば「のど越し」と思う方も多いかもしれませんが、「味わう」ことがクラフトビールを楽しむコツ。きっと今まで気が付かなかったビールの深い魅力を知ることができるはずです。
さらに当サイトを通じ、東日本大震災被災地支援を行う団体への寄付もできるという、まさに「おいしく、楽しく、寄付できる」イベント。9月の連休にはぜひ松本城へ。おいしいビールと地元の味、それに加えて何かいいことに出会えるかもしれません。

「クラフトビールフェスティバルin松本」チャリティの詳細や寄付される団体一覧はこちらをご覧ください。

→インタビューMovieはこちら

  • クラフトビールフェスティバルin松本
    長野県内のビールメーカーで醸造されるクラフトビールを中心に、40~50種類を楽しめるビアフェスです。「信州サーモン」や「安曇野放牧豚」など信州の食材を使った料理もご用意して、皆様のお越しをお待ちしています!

    日程: 2014年9月19日(金)~23日(火・祝)
    場所: 松本城公園
    クラフトビールフェスティバルin松本

  • 林幸一さん
    クラフトビールフェスティバルin松本企画運営
    株式会社ランドサービス代表取締役社長

    松本市内でバー「MAIN BAR CORT」、アイリッシュパブ「OLD ROCK」を経営。社名は「地域社会(Land)に奉仕(Service)し、お客様をおもてなししよう」という思いで命名したという。1967年松本市生まれ。

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