こんな団体です
こどもをとりまく問題が増えていた1980年代。時代と逆行したこどもが全てを決めるフリープログラムキャンプを実施していました。そこでこどもから「1年間キャンプがしたい!そうすれば食べ物も自分たちで作れるし、食器や、家だって作れるかもしれない!」こんな声が上がり始めました。
1年間キャンプをしながら自分たちで家を創るという夢をこどもも大人も区別なく本気で実現する。1986年にグリーンウッドの土台となる「暮らしの学校だいだらぼっち」ははじまりました。
こどもが発した声を受け止めると、自然とこどもは主体的になりました。必然である暮らしを学び場にすると、ご飯づくりも畑も田んぼも薪作業も、そして仲間とのぶつかり合いも、全て学びとなっている姿がありました。「教えて育てる」教育よりも、「教えないで自分で育つ」教育は何よりこども自身が成長を喜び、楽しんでいきます。それがグリーンウッドの原点です。
こんな特色ある学びを行っています
現代社会は、教育も楽しさも遊びも与えられることが当たり前となっています。一方でわたしたちの提供するキャンプでは、遊びも薪を使ったご飯づくりも自分たちで行います。遅々として進まないご飯づくり、時に風雨にさらされ思うようにいかない状況の中、こどもたちは「大変が楽しい!」と生命力をきらめかせる姿がありました。
楽と楽しいは違います。本当の楽しさは自らの手で生み出すことにあること。自分自身を存分に発揮する喜びと、共有できる仲間の存在が教育に重要であることを改めて気づかせてくれました。これこそ「未来を自分の手で創り出せる教育」なのです。
この気づきを研ぎ澄まし、暮らしの必然と偶然を学びとする教育プログラムを「暮らしから学ぶねっこ教育」と名付け、幼児から大人、様々な対象へ教育活動を提供しています。
これから予定する具体的な取り組み内容
当団体は40年近くやすおか村にて「こどもが主役」をコンセプトにした「信州こども山賊キャンプ」を実施してきました。そこでは食事作り(メニューを考え、火を起こし、野菜を切り、片付けまで)やスケジュール作り(キャンプ期間中に何をするのか、キャンプファイヤーやきもだめしの企画)まで、すべてこどもたちが行います。
児童養護施設のこどもたちを対象に、2022年、2023年と2回、山賊キャンプを提供しました。施設で暮らすこどもたちは毎日ある程度決まったスケジュールで暮らします。また親と離れている複雑な環境にいるこどもたちにとって、「食事を作る」「自分たちでやりたいことを決められる」という体験は、自分の可能性に向き合う強烈な体験となりました。日中の川遊びや工作、ドラム缶風呂など存分に遊ぶ時間はこども本来の生命の煌めきを取り戻す時間となります。
2024年度も12名のこどもたちを招待し、2泊3日のキャンプを実施する予定です。
※写真は「信州こども山賊キャンプ」の様子
応援よろしくお願いします
こどもの学力は親の学歴や周囲の環境によって大きな差を生むことが研究によって明らかになっています。児童養護施設という限られた集団の中となれば、さらに体験格差、教育格差は広がってしまいます。一緒に暮らす年長者たちが進む道を、例え厳しい道だったとしても同じようにたどってしまうのも同様の理由ではないかと考えます。こどもは体験を元に学習が促進され、成長していきます。キャンプでの「自分の行動で目の前の世界が変わる」体験は、自分の可能性を信じ、一歩を踏み出す勇気につながるはずと信じています。限られた人数ではありますが、この取り組みの成果は広く社会に知らせ、同様の活動につなげるよう努力して参ります。さらに格差や分断を広げてしまわないためにも、また未来を担うこどもたちが、自分の可能性を信じ、広げられるためにも応援をお願いいたします。