こんな事業です
やどかりハウスは、コロナをきっかけに上田市の街中に誕生した、誰でも駆け込める「雨風しのぐ宿」です。家から離れて休息したい時、安心して眠れる場所がない夜など、どんな人でも500円~1000円で気軽に泊まることができ、人と繋がることができる場です。
私たちNPO法人場作りネットは、電話やSNS等を通して年間約10,000件の相談に対応してきました。毎日寄せられる「相談」から見えることは、本当に多くの人たちが孤立している社会であるということです。そして、孤立した社会では、ひとりひとりが抱える「問題」は、周りからは全く視えなくなっていて、個人の中や家庭の中に押し込められているということでした。
そうした現実に直面する中で、私たちは街の中に、誰もが駆け込む宿を作り、受け入れをしてきました。3年間で1700泊、470名の方々が駆け込んできました。深刻な問題をひとりで抱えて苦しんでいた女性や若者が多く、また誰にも相談できない男性達もいました。そうした人達に一夜の宿を提供するだけではなく、問題を一緒に考えたり、支援制度につなげたり、自立に向けた体験を行ったりしながら、街の人達も一緒になってこの社会を豊かにしていく仲間として「出会い直す」ということを3年間やってきました。そうした日々を積み重ねる中で、今までは「支援者」だけが知っていた「問題」が上田の街に開かれるようになり、多くの「助かり合い」が巻き起こっています。
これを実現します
やどかりハウスには3年間で1700泊、のべ470名の方が駆け込んできました。深刻な暴力被害から逃れてきた人でも公的なシェルターに入ることが難しかったり、食べられないくらい困窮していても公的制度に当てはまらない人など、制度では助からない人がたくさんいました。また子育てや介護や重労働なケアや関係性の不和など、家庭の問題を抱えながらもひとりで耐えている人達がたくさんおり、そうした人達が「休息の場」を必要としていました。そして、休息の場や、悩みを共有する場があれば、力を取り戻したり、自らの力で自立の道を歩んで行かれる方々が多くいました。街の中にいつでも誰でも困ったら駆け込んで来て、ゆっくり休み、そして人と忌憚なく話せたりする場があること、その場があり続けることがどれほどこの社会に必要なことか痛感してきました。しかし、2024年春、4年目にしてこの場を運営する為の資金が無くなってしまい、存続の危機を迎えています。多くの人が心の支えにしているこの場を無くすわけにはいかない。そういう想いから「助かり合うわたしたちプロジェクト」を開始しました。資金が無くなったことをきっかけにして、この場所を本当の意味での公共にする取り組みです。市民や企業や行政など立場の違いを超えて、みんなで力やお金を出し合ってこの場所が続いていくことを目指して「助かり合うわたしたち」というネーミングにしました。呼びかけに応じ、これまでやどかりハウスを利用した60名以上の方がプロジェクトの運営メンバーに参加しています。誰がいつどんなきっかけで孤立するかわからない社会の中で、この街で暮らす自分たちの手で、この場を作り、そして続けていくことができれば、それは私たちがみんなで作った公共の社会資源になります。誰もがいつでも困った時にアクセスできる駆け込み寺を自分たちの手で作る!それがこの事業で実現したいことです。
具体的な取り組み内容は?
・LINEで気軽に問い合わせをして、困ったら1泊500~1000円で誰でも泊まることができます。
・困難な問題を抱えている場合は、ソーシャルワーカーやサポーターズの相談支援を受けることもできます。同行支援等も行っています。
・女性達が集って悩みを話したり繋がる場「女性の自立のためのお茶会」や「無料の食事会(のきした むすびの日)」など上田の街中のいろんなコミュニティに繋がることが出来ます。
・「街中の古本屋(バリューブックスラボ)での店番や、農家さんなどでの仕事体験(有償ボランティア)」ができる事業”のきした仕事事業”を行っています。街に居場所が出来たり、就労へのステップとして有効な事業です。
・やどかりハウスを利用している人々の言葉や絵を届ける季刊誌の発行や、SNSでの発信で、社会課題を視える化する取り組みもしています。
・こうした街の駆け込寺が必要だということを、全国にも広げていくための講演活動なども行っています。
団体からのメッセージ
やどかりハウスを始めてみて、こんなにもたくさんの人が駆け込んでくることに驚くと共に、それを受け入れてくれたゲストハウス(犀の角)をはじめ、街の人達の優しさと繋がりの力にとても勇気づけられてきました。制度や法律では我々は救われなくて、人の繋がりを取り戻していくことだけが私たちを強くしていくのだと感じています。
そしてそのことを駆け込んできた人達が教えてくれたのだと思っています。
街の中に、困ったらいつでも駆け込んでこれて、温かい人達と繋がることができる場があること。私たち小さなひとりひとりの力が集まって、この場を続けていくことができること。
それはこの国の希望になると確信しています。
どうか力を貸してください。共に希望を作っていけたらと思っています。
応援よろしくお願いします
毎日、相談や駆け込む人はあとを絶ちません。利用はまだしていないけどやどかりハウスが存在していることが救いですという声もよく聴かれます。お守りの様にパンフレットを持っている人も。多くの人が必要としている駆け込む場所。その場所が、県民の皆さまひとりひとりの心が集まって運営できれば、より安心して駆け込める場になると確信しています。どうか力を貸してください。